個人事業主やフリーランスの人は、毎年確定申告を行って税金を納めなければいけません。
そのため、毎年のように節税に頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか。
実際に、個人事業主やフリーランスで節税対策をすることは無駄な支払いをしないためにも非常に大切です。
本記事では、個人事業主やフリーランスが節税を行う方法や節税の失敗談を紹介しています。
すぐに実践できる対策方法も多いため、個人事業主の方はぜひ参考にしてください。
個人事業主が簡単にできる節税方法13選
個人事業主やフリーランスとして働いている人は、自分で確定申告を行わなければいけないため、節税対策に敏感な人も多いのではないでしょうか。
実は、節税の方法はたくさんあります。
この章では、個人事業主やフリーランスに向けて、簡単にできる節税方法を13つ紹介していきます。
- 青色申告の承認は必ず受ける
- 事業に関わるモノはすべて経費にする
- 光熱費や家賃も按分で経費にする
- 消費税や固定資産税は経費になる
- 短期前払費用の特例を活用しよう
- 少額減価償却資産の特例を活用しよう
- 生命保険・介護医療保険・個人年金に加入する
- 小規模企業共済への加入を検討する
- 経営セーフティ共済への加入を検討する
- iDeCo(イデコ)をする
- ふるさと納税をする
- 利益が800万円以上の場合は法人化を検討する
- 投資をしながら節税対策する
意外に簡単にできる方法も多いため、見落としがないかぜひチェックしてみてください。
節税方法1:青色申告の承認は必ず受けよう
個人事業主やフリーランスの人が節税対策を始める第一歩として、青色申告の承認を受けましょう。
個人事業主の場合、毎年確定申告を行わなければいけません。
確定申告には、確定申告には青色申告と白色申告の2種類があります。
青色申告とは、複式簿記による記帳を行い、損益計算上や貸し借り対青色申告とは、複式簿記による記帳を行い、損益計算上や貸借対照表等の決算書を毎年作成する必要があります。
そのため、白色申告よりも作成する書類が多くなりますが、その分たくさんのメリットがあり、大きな節税効果となります。
例えば、青色申告で確定申告を行うと最高65万円の特別控除が受けられ、大きな節税効果につながります。
一方白色申告の場合は、この特別控除が10万円しか受けられません。白色申告から青色申告にするだけでも50万円の節税ができます。
他にも家族や従業員に給料を支払っている場合、その給与が適正水準であれば全て経費として計上できます。
白色申告の場合は、配偶者で86万円、その他親族は50万円までしか控除されません。
また、赤字が出た場合も来季以降の黒字として相殺できる「繰越控除」や、30万円未満の備品を購入すると、人に必要経費計上できるなど、青色申告するだけでも50万円以上の節税メリットがあります。
節税方法2:事業に関わるモノはすべて経費にしよう
個人事業主やフリーランスの方は、必要経費を計上し所得額を減らすだけでも節税できるでしょう。
所得税や住民税の金額は、収入金額によって決まります。
そのため必要経費を増やし、収入を減らすことで税額自体を減らすことができます。
必要経費とは、収入を得るために必要となるお金のことを指すので、すべての費用を経費にすることはできません。
仕入れ費用や人件費などから、仕事で使う文房具や取引先との飲食代、交通費などは必要経費となります。
必要経費を増やすことで税金を少なくすることができるため、面倒くさがらずこまめに帳簿をつけましょう。
帳簿をつけるときはどの勘定項目に仕分けすればいいか分からない人も多いでしょう。
基本知識は必要ですが、細かい区分は自分で決めても問題ありません。
例えば、コピー用紙は消耗品や事務用品費として計上できます。
どちらの勘定科目にしても税額自体に影響はなく、税務所から指摘されることもありません。
節税方法3:光熱費や家賃は按分で経費にしよう
個人事業主の人の中には、自宅を事務所として使っている人も多いのではないでしょうか。
この場合は、家賃や光熱費などを実際に仕事で使っている面積や時間で計算して、事業経費として計上できます。
また、キッチンやトイレなども、使用割合を計算して経費に入れても問題ありません。
持ち家を事務所として使用する場合は、返済中のローンの元本以外は経費にできます。
ただし、ローンの元本は経費にできないので注意しましょう。
住宅ローン控除を受けている場合は、事業用割合が50%以上を超えてしまうと控除を受けられなくなります。
節税方法4:消費税や固定資産税は経費になる
個人事業主の中には固定資産税や消費税などを支払っている人も多いのではないでしょうか。
支払っている税金の内、事業に関わるモノは必要経費として計上できます。
経費として計上できる税金は以下になります。
- 個人事業税
- 消費税
- 固定資産税
- 自動車税
- 不動産取得税
- 登録免許税
- 印紙税
ちなみに、税金を必要経費にする場合は、「租税公課」という勘定科目にしましょう。
節税方法5:短期前払費用の特例を活用しよう
事業でインターネットのレンタルサーバー料金など、継続的なサービスを利用している場合は「短期前払費用」として計上できます。
「前払費用」とは、翌年の経費の前払いとなります。
そのため、長期の必要経費として申告はできません。
しかし、一定条件を満たしている前払費用は必要経費として計上できます。
短期前払費用の条件は以下になります。
- 年払いに関する記載のある契約書がある
- 継続的な役務提供である(単発の役務の提供については「前渡金」)
- 実際に料金を支払っている
- 支払った日から1年以内の役務提供を受けること
- 支払い方法や経理の方法を継続すること(一度年払いにすると毎年継続して同じ計上方法をとる必要がある)
- 売上に対応する費用については認められない
とくに、前払費用として計上する場合は支払い方法や経理の方法を継続しなければいけません。
そのため、「来年からは月払いにしよう」などの計上方法の変更ができません。
今後同じ支払い方法ができるか確認してから、利用しましょう。
節税方法6:少額減価償却資産の特例を活用しよう
個人事業主やフリーランスの場合、パソコンやプリンターなどを購入する人も多いでしょう。
パソコンやプリンターなど、単価が10万円以上するものは、長期間使える固定資産とみなされます。
この場合は、減価償却という方法で、数年に分割して必要経費として計上できます。
そのため、一括で支払いを進めた場合でも、その金額すべてを必要経費にはできません。
しかし、確定申告を青色申告にすると、30万円未満の固定資産について、一度に必要経費として計上できるようになります。
そのため、この優遇措置を上手に活用することで、さらなる節税効果が期待できるでしょう。
節税方法7:生命保険・介護医療保険・個人年金に加入しよう
個人事業主でも、生命保険や介護医療保険、個人年金などに加入することで、一定額の所得から控除できます。
生命保険料控除は、加入時期が平成24年より前か後かによって変わります。
- 平成24年1月1日以降の生命保険契約の場合:上限12万円の控除
- 平成24年1月1日以前の生命保険契約の場合:上限10万円の控除
ちなみに、旧契約と新契約の両方に加入している場合は、旧制度のみ・新制度のみ・両方の併用のうちから選べます。
節税方法8:小規模企業共済へ加入しよう
個人事業主は小規模企業共済に加入することで節税できます。
小規模企業共済とは個人事業主を対象とした退職金制度です。
掛金は月1,000〜70,000円までの範囲内から選べますが、その全額を控除できます。
節税方法9:経営セーフティ共済へ加入しよう
個人事業主は経営セーフティ共済に加入することで、賭け金は損金や必要経費にできます。
経営セーフティ共済は中小企業倒産防止共済と言われており、取引先の事業者が倒産した際に連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐための共済制度です。
掛け金は月額5,000円〜20万円まで自由に選ぶことができ、しかも途中から増額・減額も可能です。
もし、取引先が倒産した場合は、無担保・無承認で賭け金の最高10倍、上限8,000万円まで借りられます。
節税方法10: iDeCo(イデコ)へ加入しよう
個人事業主はiDeCoに加入することで、節税効果が見込めます。
iDeCoとは個人型確定拠出年金として提供されているサービスであり、簡単に言うと自分のための年金を自分で積み立てる制度です。
2017年より、原則として20〜60歳未満の国民年金や厚生年金加入者ならば、誰でも加入できます。
賭け金を払いながらも、預金や投資信託ができます。
運用益も非課税となり、しかも賭け金も全て所得控除の対象となるため、節税効果が高いです。
賭け金については、毎年所得税と住民税が軽減されるため、利益が出ても税金は発生しません。
また、、受取時にも一定金額まで税金がかからないというメリットももっています。
節税方法11:ふるさと納税を活用しよう
個人事業主やフリーランスの方で節税したい人は、ぜひふるさと納税を活用しましょう。
ふるさと納税とは、各自治体に寄付を行うことで、寄付先から返礼品として特産品などがもらえます。
ふるさと納税を利用することで寄付金控除を申請できるため、所得税や住民税を減らせます。
寄付金の控除額は以下の方法で計算しましょう。
(①寄附した金額 or ②総所得金額×40%)-2,000円
注意点として、ふるさと納税で寄付した全額が納税額から差し引かれるわけではありません。
節税方法12:利益が800万円以上の場合は法人化を検討する
一例ではありますが、事業を法人化することで節税につながるケースがあります。
一般的に、個人事業の利益が800万円を超えたときが、法人化したほうが良いタイミングと言われています。
個人事業の場合、所得税は所得金額が増えるほど税率が高くなるのに対して、法人税は一定の金額で課税されます。
所得が800万円だった場合、個人事業の場合は所得税率が23%なのに対して、法人税は15%となっています。
法人化することで、自身の給与を経費として計上できたり、赤字を10年間繰り越せるなど、さまざまなメリットがあります。
ただし、社会保険への加入義務があるため、従業員の社会保険料の支払いが必要だったりなど、個人事業主には無い出費が発生します。
そのため、収益はが増えて法人化を検討する場合は、事前に税理士と相談しましょう。
節税方法13:投資をしながら節税対策する
iDeCoも節税対策としては有効的ですが、他にも節税対策として使える投資があります。
例えば、太陽の光をエネルギーとして電気を生み出し、発電した電気を電力会社に売って利益を得る「太陽光発電投資」。
太陽光発電投資は、消費税還付や減価償却の対象となります。
ここでは消費税還付について解説していきます。
一般的に、提供する物やサービスの対価として消費税を支払わなければいけませんが、太陽光発電の売電収入に対しては条件を満たせば消費税を納付する必要がなくなります。
個人事業主が消費税還付を受けるためには以下の条件を満たさなければなりません。
- 前々年の課税売上高が1,000万円以下※1
- 開業して2年を経たない事業者(特定期間で1,000円以上の売上がある場合を除く)※2
※1 前々年とは、法人は「2期前の事業年度」、個人事業主は「2年前の1月1日~12月31日」の期間を指します
※2 特定期間とは、法人は「前事業年開始日から6か月」、個人事業主は「前年の1月1日~6月30日」の期間を指します
免税事業者になると、預かった消費税を納付する必要がなくなり、消費税の納付額が減る分だけ自分の利益になります
この条件さえ満たせば、太陽光発電投資で得た売電収益にかかる消費税を支払う必要がないので、その分利益が多くなります。
太陽光発電投資を始める際は、銀行や信販会社、日本政策金融公庫から年収や借入金額に応じて融資が受けられます。
日本政策金融公庫では、「環境エネルギー対策資金」といって太陽光発電を含む再生可能エネルギー関連設備の導入に必要な資金を低金利で融資してもらうことができます。
ローンを組んで太陽光発電投資を始めたとしても、結果的に利息を抑えることができ、節税もできるので、手元に残る資金は多くなります。
太陽光発電投資で節税対策ができることを知らない個人事業主・フリーランスの方も多いですが、不労所得を得られる節税対策としてはかなり有効的です。
太陽光発電投資についてもう少し知りたいという方は、太陽光発電の仲介業者「SOLSEL(ソルセル )」の無料入門ガイドがおすすめです!
下記から無料でダウンロードできます。
個人事業主やフリーランスが今からできる3つの節税方法
ここまでは、個人事業主やフリーランスの方でもできる節税方法を紹介していきました。
ここからは今からでもできる3つの節税方法を詳しく解説していきます。
以下の3つは今日からでもできる節税方法です。
- 経費と控除を見直す
- 減価償却の特例を活用する
- 青色申告をする
すぐに実践できるため、早めに対策を取って節税の第一歩にしてください。
今からでもできる節税方法1:経費と控除を見直す
個人事業主やフリーランスの人が節税を行う場合は、最初に経費や控除を見直しましょう。
収入に対して経費や控除が増えると、支払う税金の中でも大きな負担になる所得税を抑えられます。
ちなみに、所得税額は以下の計算式で求められます。
- 課税される所得金額=所得の合計額-必要経費-各種控除
- 所得税額=課税される所得金額×税率-課税控除額
この計算方法で、年間の所得の合計金額から差し引かれる必要経費や、課税される所得金額から差し引かれる課税控除額が計算できます。
必要経費や課税控除額を増やすことで、その金額が大きければ大きいほど、節税効果を増やせます。
そのため、まずは経費の漏れをなくすためにも、事業にかかる経費などの支出を見直しましょう。
事業でかかった費用はすべて経費として計算できます。
旅費交通費 | 電車賃、バス代、タクシー代など |
広告宣伝費 | チラシの作成代、求人広告代、ネット広告代 など |
消耗品費 | オフィスで使う事務用品購入費 使用可能期間が1年未満か10万円未満のパソコン購入費 など |
接待交際費 | 取引先との食事代 など |
水道光熱費 | オフィスや店舗の水道料金、電気代、ガス代 など |
通信費 | 事業用の携帯電話料金、切手代、プロバイダー料金 など |
地代家賃 | オフィスの賃料 など |
租税効果 | 固定資産税:自動車税 など |
給料賃金 | 従業に支払う給与 など |
福利厚生費 | 従業員の通勤手当 など |
自宅を事務所として使用している場合は、家賃や水道光熱費、固定電話代、インターネット料金、固定資産税など、仕事に使用した分は家事按分として経費に登録できます。
また、個人事業主が収めた税金のうち、事業に関わる税金も経費として計上できます。
経費として計上できる税金は以下になります。
- 個人事業税
- 消費税
- 固定資産税
- 自動車税
- 不動産取得税
- 登録免許税
- 印紙税
今からでもできる節税方法2:減価償却の特例を活用する
個人事業主やフリーランスの人は、減価償却の特例を活用しましょう。
減価償却とは、購入した固定資産の費用を税法上の対応年数で分割して計上する会計方法です。
そのため、数年間にかけて大きな節税効果を期待できます。
減価償却資産の償却方法には、法人税法によって特例が設けられており、10〜20万円未満のモノは3年で均等償却することができます。
そのため、利用年数に関わらず均等償却でき、1年あたりの償却額が多くなるため、さらなる節税効果につながるでしょう。
中小企業者の場合は、一定条件をクリアすることで10〜30万円未満のものを一括で経費として処理できます。
この特例を「少額減価償却資産の特例」と呼びます。
この特例を黒字の時にうまく活用することで、対象となる固定資産の費用を一括で必要経費にできるため、大きな節税効果が期待できるでしょう。
「少額減価償却資産の特例」が受けられる条件は以下です。
- 青色申告をしている中小企業者または農業協同組合などで、従業員数や事業年度の所得金額、資本金などについて一定の基準を満たす法人であること
- 取得した資産の金額が30万円未満、かつ年度内での合計額が300万円未満であること
- 青色申告決算書に必要事項を記入し、確定申告時に提出すること
今からでもできる節税方法3:青色申告をする
個人事業主やフリーランスの方は、確定申告を行うときは絶対に青色申告で行いましょう。
青色申告特別控除を受けられる条件は以下になります。
- 事業的規模である不動産所得または事業所得を得られる事業を行っていること
- 所得に関する取引を正規の帳簿(複式帳簿)で記帳していること
- 記帳にもとづいて作成した貸借対照表と損益計算書を確定申告書に添付すること
- 控除の適用を受ける金額を確定申告書に記載して、法定申告期限内に提出すること
- e-Taxによる電子申告または電子帳簿保存を行うこと
青色申告特別控除の条件はすべてクリアしなければいけません。
また、電子申告や電子帳簿保存を行わない場合は、控除額が最高55万円となってしまうため注意しましょう。
青色申告は、毎日の取引を複式簿記方式で記帳しなければいけません。
また、確定申告のときに貸し借り対照表や損益計算書の提出も必要ですが、最大で65万円の特別控除が受けられます。
帳簿付けなどが面倒ですが節税効果が高いため、しっかりと記帳しましょう。
申告に間に合わなかった場合や条件のなにか1つでも満たしていない場合は、控除額が最高で10万円となるため注意してください。
また、青色申告をしている事業者の事業に、生計を一緒にしている家族が従事している場合は、支払った給与から所得から控除可能です。
個人事業主が支払わなければいけない4つの税金
ここからは個人事業主が支払わなければいけない4つの税金を紹介していきます。
個人事業主やフリーランスは、以下の4種類の税金を支払わなければいけません。
- 所得税
- 消費税
- 住民税
- 個人事業税
このうち、消費税と個人税に関しては、条件に当てはまる人が納付しなければいけません。
また、所得税と住民税はすべての個人事業主が支払いの対象となります。
納付先は国税か地方税かによって異なるため注意しましょう。
ここからは、それぞれの税金について詳しく解説していくので、細かい内容をチェックしてください。
個人事業主の税金1:所得税
個人事業主も会社員と同様に、毎年所得税を支払わなければいけません。
所得税とは、毎年1月1日〜12月31日までの1年間、事業を通じて得た所得に対して課せられる税金で、所得金額が多ければ多いほど税率が上がる累進課税となっています。
そのため、個人事業主にとっては最も大きな負担になる税金とも言われています。
納付先は国税となっており、前年1年分の所得に対して、翌年の2月16日〜3月15日までに確定申告を行って納付します。
3月15日が土日の場合は、翌月曜日になります。
個人事業主の税金2:消費税
課税売上高が1,000万円を超える場合は消費税を支払わなければいけません。
ただし、前々年度の売り上げが対象となるため、新しく開業してから最初の2年間はたとえ売り上げが1,000万円を超えていても消費税納税の義務が発生しません。
また、1,000万円を超えることで発生する税金なので、
から2年以上が経過しても売上高が1,000万円である限りは消費税が発生しません。
消費税は所得税と同じく国税となるため、納付の必要がある場合は確定申告をしっかりと行い税務署へ納付しましょう。
個人事業主の税金3:住民税
個人事業主は毎年、住民税を払わなければなりません。
住民税とは都道府県税と市町村税からなっている地方税の一種です。
住民税は、教育現場や福祉サービスなどの地方自治体が管理する公共サービスを提供運営するための財源として活用されます。
そのため、個人事業主の場合は事務所がある都道府県や市町村から届く納付書に従って納税する必要があります。
※住民税は確定申告を行うことで自動的に計算されるため、自ら計算する必要はありません。
ただし、その年の事業年度所得に課税される所得に対して、住民税の場合は前年の所得に課税されるといった違いがあります。
住民税の支払いには、6月に一括払いする方法と年4回の分割払いを選択できるので、自分に合った納税方法を選択できます。
個人事業主の税金4:個人事業税
個人事業主やフリーランスの方は、一定所得を超えた場合個人事業税を支払わなければいけません。(※個人事業税の課税対象とならない業種もあります)
事業内容によって課される税金が異なるため、事前にしっかり確認しましょう。
納付は8月と11月の年2回で、都道府県が納付先となります。
年間を通じて営業している個人事業主の場合は、事業所得が290万円未満であれば、納税の義務は発生しません。
個人事業税は経費として処理することも可能です。
個人事業主によくある節税対策失敗事例
最後に、個人事業主によくある節税失敗パターンを紹介します。
節税に関してよくある失敗談は以下になります。
- 年末に切手や消耗品を大量に買い込む
- 年末に高額な備品や機械を買う
先に結論から言うと、節税のために年末にたくさん商品を買っても、無駄な支出にしかなりません。
失敗しないためにも、ぜひ参考にしてください。
年末に切手や消耗品を大量に買い込む
年末になって節税のために慌てて、消耗品を大量買いする人をたまに見かけます。
実際に、「コピー用紙やペンなど仕事道具は経費になるから良いや」と思って、たくさん買って所得を減らす狙いかもしれません。
一見、得をしているように感じますが、実は無駄な支出になってしまう可能性があります。
期末に消耗品を大量購入しても、必要経費から貯蔵品という資産項目に切り替えないといけません。
貯蔵品とは消耗品の中で未使用のまま終わったモノを示します。
一般的にはこれらは経費で計上しますが、期末までに使い切らなかった場合は貯蔵品として、資産科目に切り替わります。
貯蔵品として資産科目になると、1年間の損益は正確に計算できますが、貯蔵品が増えると結果的に経費が減ってしまいます。
年末に高額な備品や機械を買う
年末に節税を理由に10万円以上の固定資産を購入する人も多いですが、この節税方法もあまりおすすめできません。
おすすめできない理由として、年末の原価滅却は1ヶ月分にしかならないからです。
たとえば、36万円の機械を購入した場合、法定耐用年数が6年の場合は、償却率は0.5となります。
もし年始から使用していれば、36万円×0.5=18万円分を減価償却費として計上できます。
しかし、12月に購入した場合は36万円×0.5×1ヶ月分=15,000円しか計上できないことになります。
そのため、税率20%だった場合は3,000円の節税にしかならないです。
しかも、慌てて購入したことで自分との相性が悪い場合もあります。
このようなことから考えると、たった15,000円の経費のためだけに、36万円の買い物を行うのは無駄だと言えるでしょう。
まとめ
今回は個人事業主やフリーランスの人でも簡単にできる節税方法を紹介していきました。
個人事業主の人が節税を行いたい場合は、はじめに青色申告の承認を必ず受けましょう。そして、経費の見直しなどもしっかりと行いましょう。
またふるさと納税やiDeCoなどを使うことで、より効果的な節税ができます。
また、800万円の利益がある場合は法人化することで、さらなる節税ができる可能性が高いので、一度税理士に相談することをおすすめします。