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NISAのロールオーバーとは?メリット・デメリットやしない方がいいパターンを解説

NISAは、非課税期間が終わるとき自分の資産を今後どのように運用していくのか選択しなければなりません。そのひとつの選択肢がNISAのロールオーバーです。

この記事ではNISAのロールオーバーの仕組みと、ロールオーバーするメリットやデメリットについてご紹介します。またNISAのロールオーバーをした方が良いケース、しない方がいいケースについてもそれぞれ解説しているので参考にしてください。

NISAのロールオーバー(非課税期間の延長)・条件とは 

つみたてNISAのロールオーバーとは

NISA(少額投資非課税制度)とは、日本での株式や投資信託における配当金や譲渡益などの運用益を非課税で受け取れる制度のことで、非課税期間は5年間、120万円を限度として運用できます

5年間の非課税期間が終了する時、その後の対応を以下の3つの方法から選択しなければなりません。

  1. 翌年の非課税枠に移す
  2. 課税口座に移す
  3. 売却する

このとき「翌年の非課税枠に移す」という選択肢が、ロールオーバーといわれている方法で、ロールオーバーを選択した場合、再度5年間は資金を非課税で運用できます。

NISAのロールオーバーを行うための条件は以下の2つです。

ロールオーバーを行うための条件
  1. 同一の金融機関におけるNISA口座内で行うこと
  2. 期限までに手続きを行うこと

NISAのロールオーバーを行うには、翌年のNISA口座を同じ金融機関で開設する必要があります。さらにその金融機関で期限までに手続きすれば、引き続き非課税で所有できるという仕組みです。

NISAのロールオーバーするメリット

NISAのロールオーバーを行うメリットには、以下の2つが挙げられます。NISAのロールオーバーの、メリットを詳しく解説します。

ロールオーバーを行うメリット
  1. 投資で得た利益を非課税で運用できる
  2. 最大10年間非課税で運用できる

メリット①投資で得た利益を非課税で運用できる

投資で得た利益を新たな投資に回すことで、非課税のまま運用できる額を増やせます。さらにNISAのロールオーバーには、上限がないため、NISAの非課税上限額である120万円を超えたとしても、すべて非課税で運用できます。

例えばNISAで100万円で購入した金融商品が、運用益によってその価値が150万円に増えたとします。このときNISAの非課税上限額である120万円を超えてしまっている30万円分に対しても、NISAのロールオーバーをすれば、非課税で運用できるというわけです。

また120万円以内でNISAのロールオーバーを行う場合は、120万円の非課税枠に対して残りの範囲で新しく買い付けができます。

このようにNISAのロールオーバーは、利益に対する税金を最小限にできる、効率の良い運用方法のひとつです。

メリット②最大10年間非課税で運用できる

通常5年間しか非課税運用できない商品を、NISAのロールオーバーによって、最大10年間も非課税で運用できます。

NISAは運用成績が急激に変化しない安定した商品も取り扱っているので、安定した商品をできるだけ長く運用できるというのは、NISAのロールオーバーの大きなメリットです。

現在のNISAは2014年から2023年までの10年間限定の制度であって、2024年からは新しい制度に変わります。2024年度以降の制度についても、のちほど解説します。

NISAのロールオーバーの2つのデメリット  

NISAのロールオーバーには大きなメリットがありますが、必ず得をするというわけではありません。NISAのロールオーバーのデメリットを、いくつか紹介します。

NISAのロールオーバーのデメリット
  1. 損失が出ると意味がない
  2. 翌年の非課税枠がなくなるor少なくなる

デメリット①損失が出ると意味がない

NISAのロールオーバーをして、そのまま非課税枠で運用しても、商品価値が値下がりして損失を出してしまうと意味がなくなってしまいます。NISA口座は売却時に損失が出た場合、特定口座や一般口座と損益通算ができないからです。

運用成績が落ち込みそうな商品に対しては、必ずしもNISAのロールオーバーをしたほうが良いとは限りません

デメリット②翌年の非課税枠がなくなるor少なくなる

NISAのロールオーバーをすると、翌年に利用できるNISA非課税枠がなくなる、もしくは少なくなってしまいます。仮に40万円をロールオーバーをすると、その年に新しく投資できる非課税枠は120ー40万円=80万円となります。

運用成績の良い商品だからそのまま運用したい、という場合は問題ありませんが、別の商品を検討している場合や、保有している商品の運用成績が良くない場合は、しっかりと考える必要があります。

デメリット③手続きを自分で行う必要がある

NISAのロールオーバーは、各口座開設している金融機関で、手続きを自ら行う必要があります。年末までに、ロールオーバーの手続きを行わなかった場合は、自動的に課税口座に移行されてしまうため、注意が必要です。

ロールオーバーした方がいいケース  

NISAのロールオーバーにはメリットとデメリットが両方存在するので、非課税期間が終わる時に悩む人も多いはずです。NISAのロールオーバーを、した方が良いケースを紹介します。

ロールオーバーした方がいいケース
  • 含み益が多く、さらに相場が上がると期待できる
  • 含み損が出ているが、今後相場が上がりそう
  • インデックス型の投資信託をNISAで運用している

今後の値上がりが期待できる時は、まずNISAのロールオーバーした方が良いです。価格が上昇していれば、上限なく非課税枠を増やすことができるからです。

仮に非課税期間終了の際に30万円をNISAのロールオーバーをしたとします。この後資産価値が50万円に上がった場合、値上がりした20万円分も非課税となります。

もしNISAのロールオーバーをせずに、課税口座に移していたとすると、値上がりした20万円分は課税対象になりその20.315% が税金として徴収されることになります。

このように今後の相場が上昇しそうな場合は、NISAのロールオーバーで、節税効果を狙うのが上手な運用方法です。同様に含み損が出ていても、今後の相場上昇が期待できる場合は、NISAのロールオーバーをしておく方が賢い運用です。

そしてインデックス型の投資信託の場合も、ロールオーバーをして長期間の運用を検討した方が良いケースだといえます。

インデックス型の投資信託は、長期保有によって値動きが平均化されてリスクを減らせるからです。インデックス型は信託報酬料などのコストも安いので、長期運用に向いている商品でもあります。

ロールオーバーしない方がいいケース 

NISAのロールオーバーをしない方が良いケースは以下の通りです。

NISAのロールオーバーしない方がいいケース
  • ロールオーバー後に値下がりしそうなとき
  • NISA枠で購入したい銘柄が他にあるとき

非課税期間後に値下がりしそうな商品に関しては、含み益が出ていれば非課税のうちにそのまま売却した方がいいといえます。

逆に含み損がある場合は、いったん課税口座に移して様子をみましょう。NISA口座での損失は損益通算や繰越控除をすることができないないからです。課税口座に移したあとに売却すれば、損益通算などを利用して、自分の損失を最小限に抑えられます。

またNISA枠で購入したい銘柄が他にあるときも、NISAのロールオーバーはしない方がよいです。NISAのロールオーバーをすると、翌年の非課税枠を使うことになり、新しい商品を購入できる金額が少なくなってしまいます。

ロールオーバーの手続きを忘れたらどうなる?

NISAのロールオーバーをするには、書類やインターネット上で手続きが必要です

手続きを忘れてしまうと課税口座へ自動的に払い出されるので、そのまま課税口座で運用するか、売却するか選択しなければなりません

また、一度払い出された資産をNISA口座に戻すことはできません

課税口座へ移されると、移した時点での評価額で新たに金融商品を購入したとみなされます。NISA口座での購入時より値下がりしていたとしても、そこからの値上がり幅は課税対象となってしまいます。

例えば、NISA口座で買い付けた50万円が40万円になって、課税口座へ払い出しされたとします。このあと50万円へ値が戻ったとしても、10万円は課税対象となってしまうのです。

このようにNISAのロールオーバーの手続きを忘れてしまうと、その後の税金の額が大きく変わります。損をしてしまう可能性も十分考えられるので、ロールオーバーをしたいと思っている場合は忘れずに必ず手続きを行いましょう。

2024年からの新NISA制度はロールオーバーできる?

新NISA制度でも、引き続きNISAのロールオーバーを行うことは可能です。新NISA制度では積立枠の1階部分と投資枠の2階部分に分けて運用されます。1階部分の上限額は20万円、2階は102万円です。

1階部分は安定的に積み立てることを目的とし、積立に向いている金融商品を購入できます。2階部分はレバレッジの高い投資信託などを除いた、資産形成にふさわしい金融商品を購入することができます。

2024年以降にNISAを利用する人は、5年間の非課税期間が終わると1階部分の商品をつみたてNISAに移行できます。一方で2023年までの間にNISAを利用している人は、保有している金融商品を新NISAにロールオーバーできます。

2階部分が優先的に埋まっていき、102万円を超える場合は1階部分を使ってロールオーバーをしていくというシステムです。残りの1階部分では、つみたてNISAの対象商品を購入できます。

NISAのロールオーバーについてのQ&A

NISAのロールオーバーについての疑問を解説します。

NISAのロールオーバーに限度額はある?

NISAのロールオーバーを行える額に、限度額はありません。120万円以上あったとしても、すべて翌年利用するNISA口座に移せます。

NISAのロールオーバーの手続きをしない場合はどうなる?

NISAのロールオーバー手続きを年末までに行わなかった場合は、課税口座に自動的に移動されます。課税口座に移動された場合は、課税対象となってしまうので、ロールオーバーをしたい場合は、忘れずに手続きを行いましょう。

つみたてNISAはロールオーバーできる?

つみたてNISAの場合は、非課税期間が20年と決められているため、ロールオーバーはできません。

また年度内でNISAかつみたてNISAのいずれか1つしか利用できないため、NISAでロールオーバーをした場合は、その翌年度はつみたてNISAの利用ができなくなります。

NISAのロールオーバーはいつまでできる?

一般NISAの非課税投資期間は最長5年です。ロールオーバーをするとさらに5年間非課税で運用できる期間が伸びます。

例えば、一般NISA口座で2017年に購入した場合、2022年に非課税期間が終了する予定ですが、2022年にロールオーバーの手続きをすると、2027何まで非課税にて運用できることになります。

2023年のNISAロールオーバーはどうなる?

制度改定に伴ってロールオーバーできなくなったため、2023年末までに購入した分は、5年間の非課税期間が終われば自動的に「特定口座」または「一般口座」へと払出しされることになります。

まとめ  

NISAの非課税期間が終わる時にロールオーバーをするかどうかは、よく考えて選択する必要があります。ロールオーバーのメリットデメリットを理解しなければ、上手な選択はできません。

NISAを始めている人、始めたいと思っている人はロールオーバーについてしっかり勉強することが大切です。またロールオーバーをすると決めた時は、手続きを忘れないように気をつけましょう!

(参考:つみたてNISAの概要 : 金融庁

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