AGA治療は保険適用がない自費治療です。AGA治療は高額になるイメージがあり、治療に踏み出すことを迷う人が少なくありません。
AGA治療は何故保険適用外なのでしょうか?AGA治療が保険適用されない理由や、治療費を安くする方法などを解説します。
平均的な治療費・治療薬の種類や、自費診療でもお得に治療できるおすすめクリニック紹介、保険適用に関するFAQなどもご覧くださいね。
目次
AGA治療は保険適用外の自費診療になる?
AGAは現代医学では症状を抑制したり進行を止めたりすることは可能ながら、完治することがない病気です。一旦症状が治まっても、治療を止めると再発するので、一生治療し続けなければなりません。
治療費用を捻出し続ければならないので保険が適用されると非常にありがたいのですが、残念ながらAGA治療は保険適用外です。
保険が適用されない理由や適用されるケースなどを解説します。
AGA治療が保険適用外の理由
AGA治療が保険適用されないのは、症状が進行することにより体調を崩したり生命が危険にさらされることがない病気だからです。
国税庁の法の第72条には「容姿を美化または変化させるための費用は医療費に該当しない」と記されています。美容整形に保険が適用されないのと同様にAGA治療には医療保険が適用されないのです。
「AGA治療専門のクリニックではなく一般の皮膚科で治療をすれば保険が適用される」と誤解している人も少なくありませんが、AGAクリニックでも皮膚科でもAGA治療は全額自己負担の自由診療なのでご注意ください。
AGA治療が保険適用されるケース
AGA治療において保険が適用されるケースについても調査した結果、AGA治療ではどのような進行状態でも保険適用されることがないことが確認されました。
AGAを発症したと思って診察を受けたときに頭皮に炎症などが認められた場合は、炎症の治療に保険が適用されます。保険が適用される頭皮の炎症や皮膚炎は、円形脱毛症・脂漏性皮膚炎・接触性皮膚炎・びまん性脱毛症・抜毛症などの脱毛症です。
しかし、医師の診察を受けないと保険が適用される頭皮トラブルなのか判断できないので、頭皮トラブルが発生した場合には医師に診察を受け、必要に応じて治療してもらいましょう。
AGA治療は医療費控除も対象外
AGA治療は医療費控除の対象にもなりません。医療費控除は1月1日から12月31日までの間に治療を目的とする医療費10万円以上を納税者・その家族が支払った場合に受けられる控除です。
診療費・治療費・入院費・医薬品代・通院のための交通費・義手や義足や義歯や補聴器などの費用・介護費用・指圧師や柔道整復師や鍼灸師の施術費用などが医療費控除の対象になります。
しかし、美容効果などがあるサプリメントなどは医療費控除の対象外です。AGA治療も美容と同様のカテゴリに入るため、医療費控除を受けられません。
AGA治療の過程で頭皮トラブルや健康トラブルが発生した場合の医療費については、AGA治療を行っているクリニックの医師に確認しましょう。
AGA治療の平均的な費用はいくら?
AGA治療の平均的な費用を種類別に紹介します。
内服薬(月額) | 4,000~10,000円 |
外用薬(月額) | 5,000~20,000円 |
注入療法(1回) | 30,000~100,000円 |
再生医療(1回) | 100,000円~200,000円 |
植毛(1回) | 250,000円~400,000円 |
内服薬や外用薬より効果が高いと定評がある注入療法・再生医療・植毛は、内服薬・外用薬の10倍あるいはそれ以上の出費になります。
代表的なAGA治療薬3種類の費用相場(月額)はこちらです。
通常価格 | ジェネリック価格 | |
プロペシア(フィナステリド) | 約8,000円 | 約4,000円 |
ザガーロ(デュダステリド) | 約10,000円 | 約7,000円 |
ミノキシジル | 内服薬:約8,000円前後 外用薬:約5,000円前後 |
ジェネリックなし |
費用を抑えてAGA治療をしたい人にオススメのクリニック
AGA治療は当面保険が適用されないけれど治療が長引く可能性が高いため、少しでも出費を抑える必要があります。
この章では、安くても安心して通える信頼性の高いAGAクリニックを紹介します。クリニックそれぞれのおすすめポイント・治療プラン・治療費を見てみましょう。
クリニック名称 | クリニックフォア | DMMオンラインクリニック | AGAスキンクリニック |
おすすめポイント | ・1日約55円で開始可能 ・オンライン診療が無料 |
・1日64円で開始できる ・全額返金保証あり |
・オリジナル発毛薬効果が高い ・全額返金保証付き |
予防プラン | 月額3,412円~(初月0円) | 月額2,097円~ | 月額3,700円~ |
発毛プラン | 月額9163円~ | 月額2,933円~ | 月額6,800円~ |
注入治療 | なし | なし | あり |
植毛治療 | なし | なし | あり |
カウンセリング | あり・無料 | あり・無料 | あり・無料 |
診察方法 | 通院・オンライン | オンライン診療のみ | 通院・オンライン |
院数 | 10院 | 1院 | 65院 |
クリニックフォア
クリニック名称 | クリニックフォア |
運営会社 | 医療法人社団エムズ |
運営会社所在地 | 埼玉県さいたま市大宮区大門町2丁目118番地大宮門街4階 |
設立 | 2019年9月 |
治療の内容 | 診察/治療薬の処方と発送 |
診察方法 | 通院・オンライン |
診療時間・休診日 | 診療時間:7時~24時/土日診療あり(クリニックにより異なる)
休診日:記載なし |
店舗数 | 10院 |
公式サイト | https://www.clinicfor.life/telemedicine/aga/ |
クリニックフォアはAGA専門クリニックではありませんが、AGA診療実績が豊富なことで高評価を受けています。
おすすめポイント
- 1日約55円から開始できる
- オンライン診療を無料で受けられる
- 定期配送を休止できる
1日約55円からAGA治療を始められるクリニックフォアは「業界最安値」「自費診療ですが保険診療並に安い」と話題を集めました。通院診療及び治療も行っていますが、オンライン診療なら診察料が0円で、平日なら7時から24時まで診療を受け付けています。
薬が合わないときや休薬時には、マイページから定期配送の停止を行うことで、翌月から配送を停止できます。
主な料金プラン
プラン・薬代 | 月額(税込) | |||
定期配送 | 1ヶ月 | 3ヶ月 | 6ヶ月 | |
予防プラン(海外製のフィナステリド) | 1,760円※ | 4,015円 | 3,814円 | 3,613円 |
発毛ライトプラン(フィナステリド+ミノキシジル内服) | 9,163円 | 10,780円 | 10,241円 | 9,702円 |
発毛最強プラン(フィナステリド内服+ミノキシジル内服+スカルプケアサプリ+ミノキシジル外用) | 23,188円 | 27,280円 | 25,916円 | 24,552円 |
※キャンペーン価格です
定期配送・1ヶ月・3ヶ月・半年コースの4種類の料金プランのうち、最も安いのは定期配送プランです。
公式サイトはこちら
DMMオンラインクリニック
クリニック名称 | DMMオンラインクリニック |
運営会社 | 合同会社DMM.com |
運営会社所在地 | 東京都港区六本木三丁目2番1号 住友不動産六本木グランドタワー24階 |
設立 | 1999年11月17日 |
治療の内容 | 診察/治療薬・薬用シャンプーの処方と発送 |
診察方法 | オンライン診療のみ |
診療時間・休診日 | 診療日:24時間診療・特別休診日以外毎日診療
休診日:特別休診日の記載なし |
店舗数 | 1院 |
公式サイト | https://clinic.dmm.com/menu/aga-male/ |
DMMオンラインクリニックは24時間診療を実施しているオンライン専門クリニックです。
おすすめポイント
- 1日64円で始められる
- 24時間・土日祝日診療を行っている
- 全額返金保証制度がある
DMMオンラインクリニックは1日64円から始められるAGA治療が話題になったクリニックで、自費診療ということでAGA治療をためらった利用者に歓迎されました。
診療は全てオンラインで、24時間及び土日診療を受け付けているので、忙しい人でも安心して診療を受けられます。提携している医療機関でAGA治療を始める人が対象の全額返金保証を実施しているのもうれしいポイントです。申請方法や適用条件は公式サイトまたはクリニックでご確認ください。
主な料金プラン
プラン・薬代 | 月額(税込) | |||
1ヶ月 | 3ヶ月 | 6ヶ月 | 12ヶ月 | |
予防・単剤処方(フィナステリド1mgとZinc1mg・30錠) | 3,520円 | 3,483円 | 3,355円 | 2,097円 |
発毛ライトプラン(フィナステリド+ミノキシジル2.5mg) | 6,380円 | 6,160円 | 5,500円 | 2,933円 |
発毛ベーシックプラン(フィナステリド+ミノキシジル2.5mg) | 8,778円 | 8,525円 | 7,792円 | 4,400円 |
料金プランには期間が長くなるほどお得ならくらく定期便があります。手数料なしで好きなときに解約可能です。
公式サイトはこちら
AGAスキンクリニック
クリニック名称 | AGAスキンクリニック |
運営会社 | 医療法人社団東美会 |
運営会社所在地 | 青森県青森市本町1-1-35ウィローズクラブ2F |
設立 | 2015年3月 |
治療の内容 | 診察/治療薬の処方と発送/注入治療/植毛/ヘアタトゥー |
診察方法 | 通院・オンライン |
診療時間・休診日 | 基本:平日20時まで/土日診療あり
※クリニックにより異なる |
店舗数 | 65院 |
公式サイト | https://www.agaskin.net/ |
AGAスキンクリニックは全国各地に院を展開しているAGA専門クリニックです。
おすすめポイント
- オリジナル発毛薬の効果が高い
- 注入と植毛治療なども行っている
- 全額返金保証が付いている
AGAスキンクリニックのオリジナル発毛薬・Rebirthは発毛実感率99.4%を記録しているという高評価を受けています。注入治療と植毛治療も行っており、中でも「痛くない発毛メソセラピー」として話題になったミノキジェットが好評です。
また、6ヵ月後に写真で確認を行った際に効果が見られない場合などに全額返金制度を利用できます。利用条件の詳細は公式サイトまたはクリニックでご確認ください。
主な料金プラン
プラン・薬代 | 月額(税込) | ||
6ヶ月未満 | 6ヶ月以上 | 12ヶ月以上 | |
タブレットA(ミノキシジル内服薬) | 11,000円 | 8,800円 | 7,700円 |
タブレットB(フィナステリド内服薬) | |||
タブレットC(サプリメント) | |||
タブレットD(デュタステリド内服薬) | 13,200円 | 11,000円 | 8,800円 |
リキッド(ミノキシジル外用薬) | 22,000円 | 17,600円 | 15,400円 |
上表のタブレットはオリジナル発毛薬ですが、国内承認薬も処方されます。予防プランのフィナステリドは初月3,700円で2回目以降は、6,600円になるという料金プランです。
公式サイトはこちら
AGA治療の費用を安くする方法
長期にわたるAGA治療の費用は少ないに越したことはありません。この章では、AGA治療費を安くする方法を紹介します。これらの方法を考慮してAGA治療を始めましょう。
症状が軽い状態で治療を始める
予防の段階なら内服薬のみの治療なので月額4,000円くらいですが、症状が進んでいるとより効果が高い内服薬を処方されたり外用薬を処方されたりするようになるので、当然ながら治療費が高くなります。
AGAは日本人男性の5人に1人が発症すると言われています。薄毛を意識したときはすぐに専門のクリニックで診察を受けて治療を始めることで治療費を節約しましょう。
ジェネリックの医薬品を処方してもらう
ジェネリック(後発)医薬品を処方してもらうことでも、治療費を大幅に安くできます。平均的な費用紹介の章に記したように、ジェネリックの費用相場は通常価格の半額あるいは半額に近い料金だからです。
AGA治療薬のうち、内服薬及び外用薬として処方されることが多いミノキシジルは、2024年4月時点でジェネリックが開発されていませんが、プロペシア(フィナステリド)とザガーロ(デュタステリド)のジェネリックはあるので、クリニックや薬局でジェネリックに変更してもらえるか確認しましょう。
薬局によってはジェネリックを取り扱っていないことがあるので、処方された後に薬局にジェネリックの有無を問い合わせることをおすすめします。
進行状況に合わせて薬を変えてもらう
AGA治療の進行状況に応じて薬を変えてもらうことでも治療費を安くできます。治療効果が表れてAGAの進行が抑制された場合、それまで使っていた薬の量を減らしたり種類を変更することが多く、それによって治療費が削減されるからです。
しかし、薬の変更や減薬や治療の中止などは個人の判断で行ってはいけません。
素人判断で行動した結果、それまでの治療が台無しになる可能性があるからです。薬の変更・減薬などは必ず医師の診断結果や指導に基づいて行いましょう。
安いからと言って個人輸入のAGA治療薬には注意
安いという理由でAGA治療薬を個人輸入することはおすすめできません。個人輸入には以下のようなリスクがあるからです。
- 偽造品である可能性がある
- 健康を害する可能性がある
- 健康を害した場合でも保証されない
- 説明書が外国語で薬効・成分・用法・用量を理解できないことがある
輸入品を使用したことで発生するトラブルは全て自己責任となるので、クリニックで医師に処方された治療薬を使いましょう。
AGA治療に使われる薬の種類
AGA治療に使われている代表的な薬3種類を解説します。それぞれの効果と副作用をチェックしてみましょう。
プロペシア(フィナステリド)
効果 | 5αリダクターゼII型を抑制して脱毛を予防・毛量を維持する |
副作用 | 性欲減退/肝機能障害 |
プロペシアは米国メルク社が開発した薬で、フィナステリドという一般名で知られています。現在世界60ヶ国以上で認可されている、最もポピュラーなAGA治療薬です。
男性ホルモンであるテストステロンが5α-リダクターゼという酵素によってDHTに変化するのがAGAの主因ですが、プロペシアはその5α-リダクターゼの働きを抑制することでAGAの進行を食い止める働きをします。
しかし、男性ホルモンに働きかけるため、男性機能を阻害する副作用が出る可能性があります。
ザガーロ(デュタステリド)
効果 | 5αリダクターゼI型とII型を抑制して脱毛を予防・毛量を維持する |
副作用 | 性欲減退/勃起不全/精液減少 |
ザガーロはプロペシアに続いて厚生省の認可を受けた治療薬です。プロペシアと共通する効果がありますが、ザガーロは5αリダクターゼI型とII型の2タイプに働きかけます。
効果がプロペシアに似ていますが、副作用もプロペシアと同様の男性機能が正常に働かなくなる副作用です。プロペシアとザガーロは治療効果が高い薬ですが、治療開始直後は頭髪が抜け落ちる症状が出ます。
しかし、これは副作用ではなく、発毛サイクルが改善されているという証なので心配ありません。未成年と女性は使用できないという難点があります。
ミノキシジル
効果 | 毛母細胞の活性化・頭皮への血流促進により頭髪の成長を促進する |
副作用 | 頭痛/発熱/動悸/吐き気/かゆみ/浮腫 |
ミノキシジルは内服薬としても外用薬としても用いられている治療薬です。高血圧の治療薬として開発されたのですが、副作用に髪の成長促進効果があったため、AGAや薄毛の治療薬として知られるようになりました。
プロペシアやザガーロのように男性機能に影響を及ぼす効果や副作用は出ませんが、頭痛や吐き気といった風邪のような症状が出るため、それを理由に内服をやめる人もいます。
女性にも処方できる薬ですが、男性とは配合が違う女性向けの製品が用意されています。
AGA治療の保険適用に関するよくある質問
AGA治療の保険適用に対する数々の疑問がAGA治療クリニックなどに送られています。その中からよく見かける質問と質問への回答を紹介します。
AGA治療に保険証は必要?
AGA治療は自費診療なので、基本的には保険証は要りません。しかし、クリニック受診の際の身分証明のために使用されるケースがあります。
また、AGA以外の頭皮トラブルは健康保険が適用される可能性が高いので、保険証は念のためにAGA治療でも用意しておきましょう。
AGA治療薬は全て保険適用外?
AGA治療薬は全て保険適用されません。今後治療薬が保険適用される可能性はゼロではありませんが、2024年4月時点で保険適用されておらず、保険適用される予定なども公表されていないので、当面はAGA治療薬の全ては自費診療・全額自己負担だと認識しておきましょう。
円形脱毛症と一緒に治療すれば保険適用される?
AGAと円形脱毛症が同時に発症した場合、円形脱毛症には保険が適用されますが、AGA治療には保険が適用されません。円形脱毛症以外の保険適用内の脱毛症と同時に発症した場合も同様です。
AGA以外が理由と思われる頭皮トラブルや脱毛症を発症した場合は、自己判断は行わず、AGA治療を行っているクリニックまたは一般の皮膚科医院で医師の診断を受けましょう。
AGA治療が保険適用になる可能性はある?
基本的にAGA治療の全ては保険適用外です。しかし、保険適用になる可能性が全くないわけではありません。
2017年にセルフメディケーション税制という制度でOTC医薬品の購入費用について所得控除が受けられるようになりました。AGA治療薬がOTC医薬品の対象となれば、治療費負担が軽くなります。
OTC医薬品として認可されるには厚生労働省が定めている基準をクリアしなければならず、2024年4月時点でこの基準をクリアしているAGA治療薬はありません。しかし、今後現場での治療薬の開発が進んだ結果、OTC医薬品と定義されるAGA治療薬が使えるようになる可能性があります。
保険適用外でもAGA治療をするメリットはある?
保険適用外でも、AGA治療をすれば外見的なコンプレックスから解放されるというメリットがあります。
また、保険適用外だからこそ得られるメリットもあります。それは、自分自身で治療の方法を選択できることと、最先端の医療を受けられることです。
保険適用の場合には、保険が適用される条件として一定以上のランクの治療を選べないというデメリットがあります。歯の治療を例に挙げると、保険適用範囲内だと見た目があまり良くない差し歯しか使えません。本物の歯に近い美しい差し歯は保険適用外だからです。
同じように、保険適用外だからこそ自分の理想とする治療を受けられるのが保険適用外のAGA治療のメリットなのです。
まとめ
一生治療を続ける必要があるAGA治療が保険適用外というのは非常に残念なことですが、費用を安く抑える工夫をするなどでそのデメリットを乗り切れます。
将来治療費用が軽減される可能性もあるので、AGA治療薬の改良や新規開発に期待しながら治療を続けていきましょう。