- 「借金の返済ができそうになくて困っている」
- 「借金を返せない時の対処法を知りたい」
さまざまな理由が重なって、借金の返済が難しい方もいるのではないでしょうか。
そのような方は、債務整理の手続きを検討しましょう。債務整理には4つの方法があり、借金問題の解決に効果的だからです。
どの方法で債務整理を行うのかは、その人の借金額や置かれている状況によって適した方法が変わってきます。そのため、債務整理のプロである弁護士に相談、依頼するのが一番良い方法です。
この記事では、借金問題で悩んでいたり、債務整理を検討していたりする方に向けて、以下の内容を解説します。
【この記事でわかること】
- 債務整理に強い弁護士・司法書士事務所の選び方とおすすめ事務所
- 債務整理に強い事務所を探す方法
- 債務整理の方法
- 債務整理の方法別のメリット・デメリット
- 債務整理の費用が払えないときの対処法
記事の最後には、債務整理に関するよくある質問とその答えをまとめたので、ぜひチェックしてください!
目次
債務整理に強い弁護士・司法書士事務所の選び方
債務整理のプロである法律家に依頼すると、さまざまなメリットがあります。
- 自分にあった債務整理の方法を検討してくれる
- 借金の督促が止まる
- 債権者との交渉をスムーズに行える
- 書類の準備や手続きを代行してくれる
弁護士は、自分ではどうにもできない借金問題の解決に心強い存在です。しかし、どのように弁護士・司法書士事務所を選べばいいかわからない方も多いのではないでしょうか?
弁護士の選び方によって債務整理の成功を左右する可能性もあるので「どこでもいい」で決めるのではなく、慎重に判断してください。
そこで、弁護士選びの際には以下の4点を重視してください。
- 債務整理を得意分野としている弁護士事務所か
- 弁護士の実績や経歴は豊富か
- これまでにトラブルを起こしていないか
- 信頼できる弁護士か
それぞれについて解説します。
①債務整理を得意分野としている弁護士事務所か
依頼する弁護士事務所に、債務整理を得意分野とする弁護士がいるかどうかが重要です。
弁護士によって離婚問題や財産の相続、一般企業法務など、専門や得意分野があります。弁護士事務所のすべての弁護士が債務整理を得意とするわけではありません。離婚問題を専門にする弁護士に債務整理の相談をしても、スムーズな手続きは難しいでしょう。
弁護士の専門分野は、弁護士事務所の公式サイトに記載があります。所属弁護士の紹介ページ内に、債務整理を得意分野とする弁護士が在籍しているかどうかを確認してください。
また、債務整理が得意分野の弁護士が複数人いれば、事務所全体で経験やノウハウを蓄積している可能性が高く、安心して相談や債務整理の手続きを依頼できます。
②弁護士の実績や経歴は豊富か
弁護士選びの際に、所属弁護士の実績・経歴を確認してください。
債務整理のなかでも、任意整理は裁判所を介さずに債権者と直接交渉が必要です。交渉経験の有無や、実績のある弁護士を選ぶのが成功の近道といえるでしょう。
弁護士事務所の公式サイトを確認すれば、所属弁護士の実績や経歴がわかります。公式サイトでわからない場合は、電話で問い合わせることも可能です。
③これまでにトラブルを起こしていないか
安心して債務整理の手続きを依頼するために、日本弁護士連合会から処分を受けた経歴の有無を確認してください。日本弁護士連合会では、依頼主からクレームの入った弁護士に対して処罰を下すケースがあるからです。しかし、処罰を下された弁護士について、詳細を公表しないのが通例です。
そこで、処罰を受けた弁護士を調べたいときは、以下の「弁護士懲戒処分検索センター」のリンクにアクセスしましょう。
弁護士懲戒処分検索センターは「弁護士自治を考える会」が運営する検索サービスで、処罰を受けた弁護士の検索が可能です。
④信頼できる弁護士か
弁護士選びでもっとも大切なのが「信頼できる弁護士に依頼できるか」という点です。
借金問題はデリケートな問題なので、家族や友人にも相談が難しい悩みです。そのなかでも、債務整理は今後の人生に大きな影響を与える可能性が高い手続きなので、不誠実な対応をする弁護士に任せられません。
正式に依頼する前に必ず弁護士事務所の無料相談を利用してください。相談をしてみて「この事務所なら親身になってくれる」「担当弁護士と話しやすい」「安心して借金問題の解決をお願いできる」と感じた弁護士に依頼しましょう。
また、債務整理の手続きを依頼すると、弁護士と連絡を取る機会が増えます。連絡の対応が早いかどうかも弁護士選びの判断材料にしてください。
債務整理にかかる費用相場一覧
弁護士費用は依頼する事務所によって異なり、債務整理の一般的な費用相場は以下の通りです。
- 任意整理:約5万円〜10万円(1社につき)
- 個人再生:約500,000円~
- 自己破産:約300,000円~
弁護士費用の内訳には普段聞きなれない専門用語も出てきます。不明点が発生したときはもちろん、費用がどんな目的に使われるのかをわかりやすく説明してくれるかどうかも弁護士選びで重要です。
逆に弁護士費用の内訳について一切説明がなかったり、質問をしても曖昧な返答しかなかったりする場合は依頼者と誠実に向き合う弁護士とは言えません。
また、必ずしも広告に出ている金額で済むとは限らないところも注意が必要です。
事前に弁護士費用の見積りを取り、債務整理にかかる総額を確認しましょう。そのうえで納得できる弁護士事務所を選んでください。
債務整理に強い事務所を探す方法
債務整理に強い弁護士事務所を探したくても、一概にどうすればいいかわからない方もいるでしょう。
安心して債務整理の手続きを依頼できる弁護士事務所を探す方法はいくつかありますが、そのなかでもおすすめの方法は以下の通りです。
- 弁護士事務所の公式サイト
- 実際に弁護士事務所を利用した方の口コミ情報
弁護士事務所の公式サイト
まずは弁護士事務所の公式サイトに移動しましょう。債務整理の実績や経験を確認できます。
ただし、公式サイトの内容だけで債務整理の手続きを依頼するのは難しいです。気になった弁護士事務所をいくつか選んで、無料相談を利用してみてください。
実際に弁護士事務所を利用した方の口コミ情報
弁護士事務所を選ぶ際は、実際に利用した方の口コミをチェックするのも効果的です。口コミは利用者のリアルな声を集めた貴重な情報なので、評価が高いほど安心して依頼できるでしょう。
口コミは匿名の情報のため、正確性に欠けるといった側面もあります。口コミの内容だけを信じるのではなく、気になる弁護士事務所があったら無料相談を利用してください。
そのうえで、最終的には自分の目で、安心して依頼できる弁護士事務所かどうかを判断しましょう。
複数の弁護士事務所に無料相談してみよう
弁護士費用や所属弁護士の実績や経歴、事務所の雰囲気などは事務所によってさまざまです。弁護士事務所を選ぶ際に、一か所ではなく複数の事務所を比較・検討しましょう。
多くの弁護士事務所にて、無料相談を実施しています。複数の弁護士事務所に相談することで、発生する費用や弁護士の対応など、自分が納得できる事務所選びに有効です。
無料相談はフリーダイヤルで24時間365日受け付けていたり、メールやLINEに対応していたりするなど幅広いです。自分の都合に合わせて、利用しやすい方法を選んで相談してください。
債務整理におすすめの弁護士・司法書士事務所一覧
債務整理に強い弁護士・司法書士事務所は数多くありますが、その中でおすすめなのが以下の事務所です。
ベリーベスト法律事務所
・債務整理の相談は何度でも無料
・全国56箇所に拠点があるから地方もOK
・20万円以上も借金が減った事例が続出
・自宅相談にも対応
ベリーベスト法律事務所の費用
任意整理 | ・着手金:0円~ ・報酬金:22,000円 ・減額報酬:22% ・事務手数料:44,000円 |
個人再生 | ・基本報酬:495,000円〜 ・成功報酬:0円 ・事務手数料:44,000円 |
自己破産 | 基本報酬:385,000円〜 |
弁護士法人・響
・弁護士+スタッフが専任で担当
・24時間・365日、相談受付
・全国対応
・追加費用など明瞭な料金設定と説明
任意整理 | ・着手金:55,000円~ ・報酬金:11,000円 ・減額報酬:11% |
個人再生 | ・基本報酬:330,000円〜 ・成功報酬:220,000円 ・事務手数料:44,000円 |
自己破産 | ・基本報酬:330,000円〜 ・成功報酬:220,000円〜 |
司法書士法人浜松町歩法務事務所
・初期費用0円も可能
・費用の分割払い可能
・全国への出張訪問相談に対応
・借金減額診断をしている
・土日祝日も受付
司法書士法人浜松町法務事務所の費用
任意整理 | ・着手金:10,000円~ ・報酬金:10,000円~ ・減額報酬:10% |
個人再生 | 基本報酬:400,000円〜 |
自己破産 | 基本報酬:350,000円〜 |
アヴァンス法律事務所
・初期費用0円
・減額報酬無料
・女性専用窓口あり
・全国に対応している
アヴァンス法律事務所の費用(税込)
任意整理 | ・着手金:1社あたり44,000円 ・減額報酬:0円 |
個人再生 | ・399,300円 ・住宅資金特別条項を利用する場合:459,800円 ・予納金、申立印紙代などの実費:40,000円程度 |
自己破産 | ・着手金:220,000円 ・成功報酬:77,000円 ・予納金、申立印紙代などの実費:40,000円程度 |
司法書士法人 穂
・女性の借金問題を専門にした窓口を用意
・24時間365日受付
・相談料は何度でも無料
・任意整理に特化している
司法書士法人 穂の費用
任意整理 | ・着手金:1社あたり22,000円〜 ・減額報酬:減額できた分の11% |
個人再生 | – |
自己破産 | – |
アシスト法律事務所
・全国・土日祝日対応
・メール相談は24時間365日受付
アシスト法律事務所の費用
任意整理 | ・着手金:1社あたり40,000円~ ・成功報酬:10,000円(税別) |
個人再生 | ・着手金:450,000円(税別) ※住宅資金特別条項を利用する場合は500,000円(税別) ・再生委員費用:200,000~ ・申立費用:50,000円 |
自己破産 | ・着手金400,000円(税別) ※管財事件の場合は450,000円(税別) ・申立費用:30,000円~ ・管財人費用:200,000円~ |
C-ens法律事務所
・借金減額を無料で診断できるツールを利用できる
・土日の相談も可能
・非対面型のビデオ面談の導入
C-ens法律事務所の費用(税込)
任意整理 | ・着手金:11,000円〜 ・基本報酬:11,000円〜 ・減額報酬:11% |
個人再生 | ・着手金:440,000円~ ※住宅資金特別条項を利用する場合は550,000円~ ・報酬金:110,000円~ |
自己破産 | ・着手金:330,000円~ ・報酬金:110,000円~ |
そもそも債務整理は4種類!それぞれのメリット・デメリット
債務整理とは、借金問題を合法的に解決できる制度です。現在抱えている借金の返済期日を先延ばししてもらったり、借金の減額・免除をしてもらったりできます。
債務整理には、以下の4つの方法があります。
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
- 特定調停
どの方法を選ぶかで手続きの概要や効果が異なります。また、借金残高や債務者の置かれる状況によって、選べる方法が限定される場合があります。
債務整理の方法別に、内容やメリット・デメリットを解説するので見ていきましょう。
①任意整理
任意整理はカード会社や貸金業者などといった債権者と直接交渉し、和解(債権者との合意)が必要な手続きです。
借金を無理なく返済できるように、将来利息のカット、長期間の分割払いにして毎月の返済額を下げるなど、現在の返済内容を見直します。「毎月の返済負担をもう少し軽減できれば返済できる」という方に適した債務整理の方法です。
一般的な和解内容は「和解後の将来利息をカットして、3~5年の分割で支払う」といったものです。ただし、債務者の提示した和解案に応じるかどうかは債権者次第で、双方の合意がないと任意整理は成立しません。
借入れを開始してから任意整理するまでの期間が短い場合(1年に達していない)は、将来利息のカットや長期間の分割払いに応じてもらえない可能性が高いです。
任意整理のメリット
- 将来利息のカット・3~5年程度の長期間の分割払いにすることで、毎月の返済額が下がる
- 家計収入や支出、資産に関する資料提出の必要がない
- 裁判所を介さずに手続きが可能
- 任意整理の対象先を選んで手続きが可能
- 財産の処分がない
- 借入れをした理由を問われることなく和解交渉が可能
- 家族や勤務先にバレずに手続きができる可能性が高い
- 資格や職業などに制限がない
任意整理のデメリット
- 債務の元金のカットはできない
- 信用情報に事故情報が登録される
- 完済後、最長10年は新規借入れやクレジットカードを作成できない
- 債権者が和解交渉に応じないケースもある
任意整理の費用相場
- 着手金:20,000~50,000円(1社あたり)
- 報酬金:20,000~50,000円(1社あたり)
- 減額報酬:減額した分の10%程度
任意整理の必要書類
- 本人確認書類
- 印鑑
②個人再生
個人再生とは裁判所に申立てをして、現在ある借金を大幅に圧縮して軽減してもらい、原則3年(ケースによっては5年)で返済する手続きです。借金の金額や保有財産の価値などで減額率は異なりますが、最大10分の1まで債務を減らせます。
手続き後は原則3年で返済しないとならないため、継続的な安定収入がある方、借金総額が5,000万円以下(利息制限法の引き直し計算後)でないと利用ができません。
また、自己破産のように保有財産を処分する必要が原則ありません。(ローン返済の車はローン会社に引き上げられる可能性が高いです)
その他に、住宅ローン特則を利用すれば、住宅ローンを返済中の住宅も残したまま手続きが可能なので「自宅を手放さずに借金を減らしたい」方に適した債務整理の方法です。
個人再生のメリット
- 借金を5分の1~10分の1程度に圧縮・減額できる
- 原則3年~最長5年での分割返済が可能
- 住宅ローンを返済中の住宅は「住宅ローン特則」を利用して住み続けられる
- 借入れをした理由に関係なく手続き可能
- 資格や職業などに制限がない
個人再生のデメリット
- 一部の債権者を除外して手続きできない
- 家族に内緒で手続きするのは難しい(同一家計の収支を裁判所に報告する必要がある)
- 信用情報に事故情報が登録される
- 国が発行する「官報」に住所氏名が掲載される
- 手続きが煩雑なため個人で行うのは困難
- 保証人がいる場合は、保証人に影響が出る
個人再生の費用相場
- 着手金:300,000~500,000円程度
- 報酬金:300,000~500,000円程度
個人再生の必要書類
【裁判所に提出する書類】
- 申立書:申立人を特定するための書類
- 陳述書:職業・収入・財産を示す書類
- 債権者一覧表:借入先についてまとめた書類
- 家計表:収支をまとめた書類
- 財産目録:申立人が所有する財産に関する書類
【個人で用意する書類】※管轄裁判所によって異なる
- 申立人を特定する書類:戸籍謄本、住民票
- 財産・家計を示すための書類:給料明細書、所得課税証明書、通帳のコピーなど
- 債務に関する書類:借用書、返済予定一覧表、明細書、税金・社会保険料の滞納者は納税通知書や督促状
- 住宅ローン特則利用者:ローンの契約書、返済一覧予定表 など
③自己破産
自己破産とは、裁判所に申立てをして現在ある借金(税金や養育費などの非免責債権を除く)を全額免除(免責)してもらえる唯一の方法です。
自分が持っている一定以上の財産を処分・換価して債権者に配当する必要があるものの、無一文になったり住居を失ったりしません。裁判所の基準によって異なるものの、99万円以下の現金、20万円以下の預貯金、家具家財などの生活必需品は手元に残せるからです。
借金が全額免除になるには、裁判所が「免責決定」を出す必要があります。しかし、免責不許可事由(借入れの理由がギャンブルや浪費の場合など)に該当すると免責が認められません。
「借金返済の目処がたたない」「生活するための収入で精一杯」といった方に適した債務整理の方法です。借金をゼロにして新たな生活をスタートできます。
自己破産のメリット
- 税金や養育費などの非免責債権を除く借金が全額免除される
- 債務減免効果が大きい
- 安定した職についていなくても手続きが可能
- すべての財産を手放さずに済む
- 免責後に得た収入や財産は、自己破産した債務者が自由に使える
自己破産のデメリット
- 一部の債権者を除外して手続きできない
- 家族に内緒で手続きするのは難しい(同一家計の収支を裁判所に報告する必要がある)
- 信用情報に事故情報が登録される
- 国が発行する「官報」に住所氏名が掲載される
- 保証人がいる場合は、保証人に影響が出る
- 免責決定を受けるまで資格や職業に制限がある
- 借金をした理由や経緯によって全額免除されない
自己破産の費用相場
- 着手金:200,000~400,000円程度
- 報酬金:200,000~450,000円程度
自己破産の必要書類
- 自己破産申立書:申立人を特定するための書類
- 陳述書(報告書):自己破産を選択した経緯や反省文、今後の生活の見直しなどを記入
- 家族全員分の住民票:3カ月以内に入手したもの
- 戸籍謄本
- 収入を証明できる書類:給与明細書や源泉徴収票など
- 預金通帳のコピー
- 源泉徴収票・課税(非課税)証明書
- 居住地を証明できる書類:不動産登記簿謄本や賃貸借契約書のコピー
- 債務者名義の資産を証明できる書類:退職金見込み額証明書、自動車の車検証、不動産登記簿謄本、土地家屋の権利書、資産価値が分かる不動産鑑定書、保険の解約返戻金など
④特定調停
特定調停とは、裁判所を介して借金の圧縮を図る手続きです。借金の返済が滞りそうなときに、裁判所が債務者と債権者の話し合いを仲介し、返済条件の軽減や経済的な立ち直りを支援します。
裁判所を介した任意整理であり、利息制限法の上限金利(15~20%)によって引き直し計算を実施。その後、減額された債務を原則3年間で返済します。
申立てが受理されると裁判所から債務者宛に通知が届き、指定された期日に裁判所へ出向いて調停を実施します。
特定調停のメリット
- 自力で手続きが可能
- 費用負担を安くおさえられる
- 資格や職業などに制限がない
- 財産の処分がない
- 借入れをした理由を問われず手続きが可能
- 家族や勤務先にバレずに手続きできる可能性が高い
- 裁判所を介した手続きなので直接債権者と交渉しないで済む
- 調停委員が主導で交渉してくれる
特定調停のデメリット
- 調停を行うのは平日のみ
- 他の債務整理の方法と比べて督促のストップが遅い
- 思ったように債務が減らないケースがある
- 返済不可能と判断されたら個人再生か自己破産に移行
- 債権者が交渉に応じないケースがある
- 調停不調となった場合、遅延損害金が増える
特定調停の費用相場
- 着手金:20,000~50,000万円(1社あたり)
- 減額報酬:減額した分の10%
必要書類
- 特定調停申立書:申立人を特定するための書類
- 関係権利者一覧表:債権者の氏名や名称、債務の借入日・当初借入金額・現在残高などを債権者ごとにまとめた書類
- 財産の状況を示す明細書:申立人の生活状況、資産・負債、家族、返済希望に関する書類
- 給与明細書
- 債権者との契約書
債務整理の費用が払えない時の対処法
手元の資金がなくて債務整理の費用が払えないときは、以下の対処法を検討しましょう。
- 親族や知人に借りる
- 法テラスに相談
- 分割払いに対応してくれる弁護士事務所を探す
親族や知人に借りる
親族や知人から、弁護士費用を一時的に借りる方法があります。交渉次第では、無利息で借りられたり、返済期間に融通をきかせてくれたりするかも知れません。
ただし、借金をした理由や返済できなくなった理由、弁護士費用を用意できない理由などを説明する必要があります。場合によっては、酷く叱られたり、厳しい言葉をかけられたりする可能性も高いでしょう。
それでも弁護士費用を貸してもらえたら、貸してくれた相手の気持ちを裏切らないように誠実な対応を心がけてください。借用書を発行し、内容通りの返済をすることが重要です。
法テラスに相談する
「法テラス」なら、借金トラブルを抱えているものの経済的余裕がない方に対し、無料で法律相談を行ってくれます。一般的に、弁護士や司法書士などに依頼するよりも、支払う費用をおさえられる可能性が高いです。
法テラスでは弁護士費用の立替えも行っています。法テラスが利用者に代わって弁護士費用(着手金・報酬金・実費)を支払い、後に利用者が法テラスに費用を分割払い(月額5,000円~1万円程度)する制度です。また、債務整理の手続きは法テラス専属の弁護士に依頼できるため、最低限の費用負担にできるでしょう。
ただし、法テラスでは弁護士を選んだり、立替えを利用するには収入制限があったりするので注意してください。
分割払いに対応してくれる弁護士事務所を探す
債務者が経済的に余裕のない状況を弁護士事務所もよく理解しています。そこで、多くの弁護士事務所にて、弁護士費用や裁判所費用も含めた債務整理費用総額の分割払いが可能です。
債務整理の手続きにかかる費用をどのように返済するかは、担当弁護士と債務者で話し合ってください。ただし、費用を確実に支払うために、債務者自身の状況や現在の収入、手持ち資金などを正直に弁護士へ伝えましょう。
もちろん、債務者に無理のない返済のプランを担当弁護士も一緒に考えてくれます。事前に返済の相談や話し合いがしっかりとできていれば、債務整理の手続き費用が払えないといった問題を避けられます。
- 分割対象となる費用:弁護士費用(裁判所費用も含めた債務整理費用総額の分割に対応する弁護士事務所もあり)
- 返済月額:債務整理後の返済負担に応じて決定
- 分割回数:行う債務整理の手続きによって異なる
- 金利:金利や手数料が発生しないのが一般的
弁護士費用と債務整理後の返済の両方を支払うのが難しい方もいると思います。その時は弁護士費用を支払い、完済後に債権者へ返済することも可能です。
債務整理に関するQ&A
債務整理に関したよくある質問とその答えを紹介します。
債務整理の手続きにはどのくらいの時間がかかるのか?
スムーズに手続きが進めば、債権者に受任通知書を発送後、3~6ヶ月程度で終了します。
ただし任意整理で債権者との交渉が決裂して裁判に発展した場合、1年以上かかる可能性があります。
債務整理から除外したクレジットカードは引き続き使用できるか?
自己破産や個人再生と異なり自分で交渉先を選べる任意整理なら、特定のクレジットカードを除外して手続きが可能です。そのため、一定期間なら除外したクレジットカードを使えるでしょう。
しかし、任意整理を行った事実は信用情報機関に事故情報として登録されます。除外したクレジットカードの更新時、独自の定期審査の際にカード会社が信用情報機関に情報を照会。「債務整理を行っている=信用力が著しく欠ける」と判断されます。
カード会社にかぎらず、信用取引において信用情報機関に事故情報の登録がある方との契約をしません。結果的に強制解約となって、任意整理から除外したクレジットカードも使えなくなることが多いでしょう。
債務整理をすると家族カードに影響はあるのか?
家族カードは、本会員の家族が使えるクレジットカードです。そのため、本会員が債務整理をすると、家族カードも同様に使えなくなります。
逆に債務整理をしたのが本会員ではなく、家族カード会員であれば利用に影響はありません。なぜなら、クレジットカード会社が信用情報機関に照会するのは、本会員の情報だからです。
家族の情報は信用情報機関に照会しないため、事故情報があっても影響が出ないことになります。
家族に内緒で手続きしたい場合に選ぶべき債務整理の方法は?
家族に内緒で債務整理の手続きを進めたいなら、任意整理や特定調停を検討してください。
自己破産や個人再生の手続きを選んだ場合、いずれも裁判所に同一家計の家族全員の家計収支を報告する必要があるからです。
家計収支の報告資料として、同居家族の給与明細や預金通帳、保険証券の提出を求められます。なかには電子化された書類もあるなど、債務者自身が勝手に取得できない書類もあるため、家族に内緒で手続きをするのは難しいでしょう。
生活保護を受けていても債務整理をできるのか?
生活保護費は生活費として給付されるため、借金の返済に使えません。生活保護を受けている場合、自己破産しか選択できないことになります。
生活保護を受けている方は、法テラスの費用立替制度を利用して、償還免除の手続きをすれば費用負担なしで自己破産の手続きができます。
弁護士と司法書士の違いは?
債務整理の手続きは、弁護士だけでなく司法書士にも依頼できます。一般的に、弁護士よりも司法書士に依頼したほうが費用負担をおさえられる傾向です。しかし、弁護士と司法書士は、国家資格を有する法律の専門家という点は共通するものの担当する業務は異なります。
- 弁護士:裁判での代理人としての役割
- 司法書士:裁判所への提出書類の作成、不動産登記などの手続きを行う役割
司法書士に自己破産や個人再生の手続きを依頼する場合、書類作成代理人のみとなとなります。
任意整理をするなら弁護士と司法書士どちらがいい?
任意整理をする場合、司法書士が代理人として手続きできるのは140万円以内です。なお、この場合の140万円とは、複数の借金の総額ではなく個別の借金の額を指します。
多重債務の状態にあり複数の借金を任意整理をする場合は、総額が140万円を超えていても、1社あたりの借金額が140万円を超えなければ司法書士に手続きを依頼できます。
1社あたりの借金が140万円を超えるなら、手続きを依頼できるのは弁護士となります。
まとめ
債務整理をするにあたって、事前に弁護士事務所の無料相談を利用しましょう。
無料相談をしたいときは、電話もしくはメール、LINEなどから可能です。そして、現在の収入や借金状況、債権者の数などを伝えてください。担当弁護士が専門的な観点から「本当に債務整理をするべきか」「最適な債務整理の方法」などの有益なアドバイスをしてくれます。
実際に債務整理の手続きを依頼するかどうかは無料相談後に判断するのも可能です。最初からどの方法で債務整理の手続きを依頼するかを決めておかなくても問題ありません。
借金の相談をすることに抵抗を感じる方もいるかもしれませんが、弁護士には守秘義務があります。弁護士事務所に相談したからといって、家族や勤務先に借金を知られないので安心してください。
まずは気軽に電話やメール、LINEなどで無料相談を行い、借金や債務整理に関する不安を解消してみてはいかがでしょうか。