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空き家バンクとは?活用方法からメリット・デメリット、おすすめサイトを徹底解説

日本全国で問題となっている空き家問題。

空き家が放置されたままになっていると、劣化して倒壊したり崩壊した建材物が飛び近所の家や通行人に迷惑がかかったりします。さらに動物が住み着く、不法投棄により虫が大量発生するなど衛生面でも大きな不安があります。

政府は空き家問題を解決するために「空家等対策の推進に関する特別措置法」を制定し、国土交通省が中心となり自治体が「空き家バンク」制度を作りました。

空き家バンクは、空き家を「売りたい人・貸したい人と、買いたい人・借りたい人」を繋ぐマッチングプラットフォームです。

空き家バンクの利用方法やメリット・デメリットを解説し、おすすめの移住サイトを紹介しています。

空き家バンクの概要

賃貸マンション・賃貸アパートでも新電力に切り替えられるか

空き家バンク制度ができた背景と制度の概要、また活用すべき人の特徴を解説します。

空き家バンクとは?

空き家バンクとは、都道府県や市町村などの自治体や、NPOや自治体から委託された業者などが連携し、空き家を提供したい人と空き家を利用したい人を繋ぐ情報提供をする制度です。

空き家とは、一般的に誰も住んでいない家のことで、主に下記2種類があります。

  • 二次的住宅(売却用・賃貸用・別荘など)
  • その他の空き家(長期不在や取り壊しをする予定の住宅)

総務省の住宅・土地統計調査によると、1988年から2018年の20年間でその他の空き家が182万戸から347万戸と1.9倍に増加しており、その後も年々増加傾向です。

空き家は所有者だけの問題ではなく管理されず放置していると劣化が進み、外壁や屋根の落下・家屋の倒壊・ゴミの不法投棄・動物や害虫の繁殖など、近隣住民に多大な迷惑をかけることになり自治体も対応に苦慮しています。

そのため「空家等対策の推進に関する特別措置法」の施行により、近隣住民に迷惑となる空き家を「特定空き家」と認定することが決まり、固定資産税が6倍になったり補助金がなくなったり罰則が適用されることになりました。

自治体も持ち主に対し「特定空き家」に認定されないよう呼びかけることになり、対策として空き家対策計画を策定し空き家バンク制度を開設しました。

2019年に行われた国土交通省のアンケート調査によると、約7割の自治体が空き家バンクを設置しています。

参考:政府広報オンライン

空き家バンクを活用できるのはこんな時

空き家を提供したいと思った時

空き家が「特定空き家」に指定されてしまうと固定資産税が6倍もかかるなど罰則などがあります。

また、空き家を放置していると近隣住民とのトラブルになり、訴訟問題に発展することもあります。

空き家をどうしたらよいか悩んだときは、自治体によっては窓口を設置し相談を受けたり、定期的に空き家セミナーを行ったりしているので、空き家を所有している人は空き家バンクに登録し積極的に利活用を考えるべきでしょう。

空き家を住居利用したいと思った時

空き家は新築と比べると格安で買うことや借りることができます。

新築と同予算ならより広い家に住むこともできるので、余裕のある暮らしを目指す人には最適です。

自然豊かな場所で子育てをしたいなど地方移住を考えているファミリー層には、支援が充実している自治体もあるので検討してみましょう。

地域の活性化に使いたいと思った時

空き家を利用することにより二拠点居住の推進や交流人口増加など、地方創生の可能性を広げるものとして利用することができます。

また、新たな事業を展開するときの拠点として、経費を抑えたいと思った時に利用するのもよいでしょう。

古民家の空き家を利用したカフェや、空き家となっていた集合住宅をレンタルオフィスにするなど話題を集めることも多いので商用としての可能性は大きいと言えます。

空き家バンクの利用方法

空き家バンクを利用し空き家を購入する方法と、必要書類について解説します。

空き家バンクで購入したい時の手続きの流れ

空き家を購入したい自治体の空き家バンクを探す

空き家を購入したい自治体の空き家バンクサイトで閲覧し空き家を探すか、自治体窓口に出かけ情報を得ます。

利用したい自治体の空き家バンクサイトが不明な時や、まだ自治体が決まっていない場合は、国土交通省のサイトで各種空き家情報ページのリンク集を掲載しているので利用すると便利です。

参考:国土交通省 空き家・空き地バンク総合情報ページ

自治体に利用登録を申請する

気に入った物件が見つかったら自治体に利用登録を申請します。申請後問題がなければ登録され、現地確認の申し出を行うことができます。

この時に現地を担当する不動産業者や宅建業者を紹介され、物件の下見や内覧の申し込みを行います。

現地確認を行う

現地を担当する不動産業者などと現地を確認します。

物件の所有者によっては内覧ができない場合もありますので、事前によく確認しましょう。

購入手続きを行う

空き家を購入することに決めたら所有者と契約します。

自治体は不動産取引業を行うことができないので、自治体で紹介された不動産業者などの仲介の元で手続きが進められます。

不動産を購入するときは、よい関係の取引となるよう、しっかり確認しながら進めましょう。

空き家バンク利用時の必要書類

空き家バンク利用時に必要な書類は、「空き家バンク利用登録申込書」「空き家バンク利用者カード」「交渉申込書」「誓約書」など、それぞれの自治体で要綱で定められているので問い合わせしましょう。

空き家バンクのメリット

空き家バンクを購入したい人のメリットを3つあげ解説します。

安く買える

空き家バンクは営利目的ではないので、不動産業者が紹介している物件のように仲介手数料が発生しません。

また、空き家の多い地方では格安で購入できることもあります。

リフォームに補助金がでる

多くの自治体が、空き家バンクを利用して空き家をリフォームする際に、購入者に補助金を出しています。

家財処分や居住に必要な水回り工事が補助金対象になっている自治体もあるので、担当者に問い合わせましょう。

また、耐震改修や省エネ改修などリフォームの内容によっては、国からの補助金が出ることもあります。

店舗などに利用

空き家をリノベーションすることで、経費を抑えて商用に使うことができます。

場所によっては店舗として使える空き家もたくさんあります。

また、リモートワークが浸透したことで賃料の高い都市部にいる必要性がなくなったことから、スタートアップ企業のオフィスにはぴったりです。

空き家バンクのデメリット

空き家バンクを利用するデメリットもあります。2つピックアップします。

現地まで何度も足を運び見る必要がある

空き家バンクで掲載されている物件は、いたずら防止や不法侵入を防ぐために詳細が書かれていないことが多いです。

現地が遠くても何度も足を運び自分の目で確認する必要があります。

人口が少ない地域だとインフラの確認が必要

人口が少ない地域の空き家だとインフラ関係が都市部と違います。

例えば、バス路線はあるが本数が少ない、幹線道路でもタクシーが拾えないなど、交通インフラが大きく違っていることが多いです。

水道やガスなどの生活インフラも都市部と異なるので、詳細を確認しておきましょう。

全国の空き家情報を得られるおすすめ移住サイト

静岡県・瀬戸市・栃木市・群馬県片品村の、おすすめの移住サイトを紹介します。

スタートしようShizuoka暮らし ふじのくに空き家バンク

静岡県は日本のほぼ中央に位置し東西に広く、北部山岳地帯を除けば全般的に温暖な気候です。

ふじのくに空き家バンクとは、静岡県内の一戸建てで延床面積120m²以上の広い空き家を対象にしています。

「住宅または広い庭のある住宅」なので、子育てをしている世代におすすめです。

専門家が無料で建物の状況を調査する「建物状況調査実施制度」や、物件への移住にかかる移転費用を助成する「移転費助成制度」を併せて実施しています。

移転費補助制度は、県外からの移住者には最大20万円、県内からの移住者には最大10万円の補助金が出るのが大きな魅力です。(受付数の制限があります)

「引っ越し代・レンタカー代・現在の住居の家財道具廃棄代・仲介手数料・貸借の契約に係る礼金・貸借の契約に係る敷金・現在の住居から移転する空き家までの運賃」などが助成対象となっています。

空き家移住を考えている人向けに、「ふじのくにに住みかえる推進本部」の構成団体や、気軽に立ち寄って相談できる「しずおか移住応援団」がサポートをしています

せとで住もまい!きっかけサイト

空き家バンク

やきものの街・瀬戸市は、多くの窯元や工房があります。名古屋からも近く、車で30分ほどでアクセスでき、電車も一本という便利さです。

瀬戸市で空き家を見つけたい時には、「せとで住もまい!きっかけサイト」を利用すると便利です。

瀬戸市の空き家情報バンクは建物所有者の意向で、「宅建協会が仲介」する場合と「建物所有者と直接やり取り」する場合があります。

宅建協会が仲介する場合は、市の都市計画課や宅建協会などに相談し、立ち合いや現地確認など建物所有者が直接契約交渉を希望する場合、市は空き家の情報の紹介や必要な連絡調整は行っていますが、所有者等と利用希望者の間で行う物件の賃貸借・売買に関する交渉や契約などの仲介は行っていないので、契約に関するトラブル等は当事者間で解決ををしなければなりません。

支援制度は、築20年以上の中古住宅を購入して瀬戸市内へ転居する子育て世代に対して、ムーブイン応援補助金として1世帯10万円の補助金があります。

また、「移住支援金」が支給される制度があり、首都圏(埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県)から瀬戸市に移住して就業や起業すると、1世帯100万円で18歳未満の子供には1人につき100万円です。単身者は60万円となります。

支給要件があるので確認してください。

参考:瀬戸市サイト定住促進

栃木市空き家バンク あったか住まいるバンク

空き家バンク

栃木県栃木市は自然豊かで、数多くの史跡や歴史的建造物がある蔵の街として知られ、映画ドラマの撮影も多く行われています。

「栃木市空き家バンクあったか住まいるバンク」のサイトでは、すぐに物件一覧を見ることができ、栃木市に移住、定住又は二地域居住を希望する人も、栃木市在住の人も利用可能です。

空き家バンクに掲載された物件を見学したい時には、栃木市建築住宅課へ必要書類を提出し、担当の宅建業者立会いのもと見学ができます。

交渉契約は担当の宅建業者が仲介し、契約成立時には仲介手数料が発生します。

栃木市の空き家バンクリフォーム補助制度では、リフォーム工事費用や家財処分費用の一部を補助しています。

補助率は工事費等の2分の1で、限度額はリフォーム工事が50万円・家財処分が10万円です。

補助対象となるのは、購入した空き家に住民票のある購入者で、補助金の交付を受けた日から10年間維持又は居住する人となります。

参考:栃木市空き家バンク あったか住まいるバンク

群馬県片品村空き家&仕事バンク

空き家バンク

群馬県片品村は、温泉やスキー場もある、大変豊かな自然環境です。

片品村では「むらづくり観光課地方創生推進室」が空き家バンクを担当しており、移住促進のために「空き家バンク」と「仕事バンク」を合体させた田舎暮らし応援サイトを作っています。

空き家を購入、又は借りたい人は、むらづくり観光推進室に問い合わせと利用登録を行うと、情報提供と空き家所有者との連絡調整をしてくれます。

契約交渉や契約成立は当事者間で行う必要があるため、トラブルがないよう注意が必要です。

片品村の人口は約4000人という小さな村です。農業が主な産業で他には観光関連の仕事がありますが、仕事バンクで紹介している仕事もそれほど多くありません。

しかし、リモートワークが中心の仕事ならば、移住しても対応可能でしょう。

移住支援金も用意されており、世帯で100万円の支援があり18歳未満の子供が同居していると60万円加算されます。また、単身者への支援は60万円です。

医療機関は、利根中央病院の片品診療所と星野医院の2院があり、片品診療所は小児科もあるのでファミリー層にも対応しています。

出産祝金支給事業・給食費補助制度・保育料補助制度・不妊治療費助成事業など、子育て支援も充実しているので、豊かな自然の中で安心して子育てができるでしょう。

参考:片品村空き家&仕事バンク

まとめ

空き家を利用したいと思った時は、空き家バンクを活用しましょう。

空き家は新築と違い、同じ広さなら格安で購入することも借りることもできます。

自治体によって支援は違いますが、リフォームや家財道具の廃棄代などに補助金が出るほか、移住促進の支援金も充実しているところも多いです。

空き家バンクで購入したい物件があったときは、自治体の要綱に合わせた申請書類の提出が必要です。

空き家バンクの利用は簡単な閲覧だけなら、各自治体が運営している空き家バンクサイトや国土交通省のサイトに「空き家・空き地バンク総合情報ページ」があるので、そちらから全国の空き家バンクに登録されている物件を見ることができます。

空き家バンクを利用しての空き家の購入にはメリットも多いですが、現地確認のために遠方まで何度も足を運ぶことなどのデメリットもあります。

また、空き家バンクでの自治体の業務は空き家の紹介なので、自治体から委託された不動産業者などと現地確認をすることが多いですが、個人間でのやり取りも発生するのでトラブルにならないよう十分な注意が必要です。

利用方法やメリット・デメリットを理解したうえで空き家バンクを利用すると、充実した移住ライフが楽しめるでしょう。